駐在妻ドイツ語学習 in スイス|自治体が運営するドイツ語講座体験レポ

語学

海外に住むことなったときに、どうしても避けられないのが「言語の壁」。
駐在パートナーとして海外引っ越しが決まった方にとって、
最も大きな不安材料のひとつではないでしょうか。

私はスイスの中でもドイツ語圏に住んでいるのですが、
スイスに来るまでは一度もドイツ語に触れたことがなく、
引っ越す前も後も不安でいっぱいでした。

英語は多少理解できるから何とかなるかなと思っていたものの、
やはりドイツ語が全く理解できないと生活は割と不便。

また、ドイツ語を話すことが、現地の方へのリスペクトになるはず!
そう思い、一念発起してドイツ語学校に通うことを決意しました。

様々な語学学校を見比べて、最終的に選んだのは「自治体が運営するドイツ語講座」。

今回は私が実際に通っているドイツ語講座の概要と、
そのメリットについてご紹介します。

そもそも英語以外の現地の語学は学ぶべき?

私なりの答えは「YES」です。

スイスを含むヨーロッパ諸国では、母国語に加えて英語を話せる方が多いことは事実です。

ただし、私の住むエリアのスーパーや駅の案内板はドイツ語のみで書かれており、
店員さんもドイツ語で話しかけてくれます。
また、ヨーロッパでは知り合いではなくてもちょっとした立ち話をする機会が多く、
それもドイツ語で話しかけられます。

「ドイツ語は話せなくて…」といえば大半は英語に切り替えてくれますが、
やはり少し申し訳なさも感じます。
スムーズなコミュニケーションのためにも、
最低限、現地の言葉はマスターしておいた方がいいな、と感じます。

自治体が運営する語学学校とは?

スイスのドイツ語圏エリアには、
都市部であるチューリッヒを中心にドイツ語の語学学校が多数存在しています。
そんな中でも破格の値段で提供されているのが、AOZが運営するドイツ語講座。

AOZというのは、社会福祉サービスを提供しているチューリッヒ州の公的機関で、
移民に対する社会福祉の一貫としてドイツ語講座を運営しています。

移民が国民の約30%を占めるスイスでは、
移民がスイスでの生活に馴染めるよう様々な取り組みが行われているようです。

語学学校の概要

AOZが運営するコースはいくつか種類がありますが、
私が受けているのは各自治体が運営しているドイツ語コースです。

Deutschkurse in Gemeinden (mit Kinderbetreuung) - Stadt Zürich
Deutschkurse mit Kinderbetreuung in Gemeinden des Kantons Zürich


提供されているレベルは、完全初心者向けのA1.1から初中級のB1.2までです。

自分の住んでいる地域と、今のドイツ語レベルを照らし合わせてマッチする講座を受講します。
※なお時期によって、各会場で開講されるレベルは変わります。

※ドイツ語レベルの目安について
ドイツ語レベルは一般的に以下の表の通りに分類されています。

参考:https://www.coe.int/en/web/common-european-framework-reference-languages/home


ざっくりと分けると、

  • Aは基礎的なレベル
  • Bは簡単な会話ができるレベル
  • Cは高度なコミュニケーションが取れるレベル

といったものになっています。

開講場所

2024年現在、以下の9つの会場で開講されいてます。

  • Oberengstringen 
  • Schlieren
  • Dietikon
  • Birmensdorf 
  • Adliswil 
  • Thalwil
  • Horgen
  • Wädenswil 
  • Richterswil

多くの場所で講座が準備されているので、アクセスが良いのも嬉しいポイントです。

時間

講座によって時間はまちまちですが、午前中に開講されているケースが多いです。
授業はトータル1時間40分。前半45分、休憩10分、後半45分 というようなタイムスケジュールです。
また、授業の頻度は週に2回です。

授業料

2024年現在、授業料はCHF240、そこに教科書代CHF26がかかります。
※ただし該当の地域に住んでいない場合は追加料金(CHF300)がかかります。

チューリッヒ市内にあるドイツ語学校では毎日授業があるなど、回数に違いはあるものの、
安いコースでも2か月でCHF2000を超えるものばかり。
少しずつ、低価格でドイツ語の勉強を始めたい!という方には魅力的な料金です。

無料託児所付き

小さな子どもがいて、語学学校に行けない…

そんな方に朗報です。
ドイツ語講座を受講する方向けの無料託児サービスがあるので、そちらを利用することが可能です。
社会福祉サービスを提供している団体が運営しているからこそできるサービスですね。

私は利用していませんが、クラスメイトのママさんたちは授業前に実際に預けて来ています。
私が受けている会場では、教室と託児所が同じフロアにあるので、
授業中でもぐずっている声が聞こえてきたら、少し様子を見に行ったりされています。

自治体が運営するドイツ語講座のメリット

孤独からの卒業!現地での友達ができる

スイスに来たばかりの時は、周りに友達や知り合いもおらず
孤独感を感じやすいもの。

そんな時に、半ば強制的に人と関わることができる環境を作ることで
クラスメイトと友達になることができ、孤独感を軽減することができます。

日本人グループに参加することももちろん手ですが、
せっかく海外に住んでいるので、
外国の方と友達になることで、新しい価値観や文化に触れることもおすすめです。

モチベーションが保てる

オンラインでももちろん上達すると思いますが、
自分の意志に頼るところも大きいもの。

オフラインでの授業であれば、
「毎週決まった時間に学校まで行って、授業を受けて、帰る」
というルーティンが生まれて、生活にメリハリができる点もポイント。

また、同じ目標に向かっているクラスメイトも刺激になって
モチベーションが保ちやすいと感じます。

ご近所さんと仲良くなれる

実感としてはここが一番のポイントです。

この講座は地域ごとに開かれているので、
クラスメイトは近所に住んでいるケースがほとんどでした。

その地域のルールを教えてもらったり、
家族ぐるみで食事をしたりと地域に馴染みやすくなるな、と感じました。

価格の安さ

冒頭でも触れましたが、やはり自治体が運営しているだけあって価格が安く抑えられています。
気軽にドイツ語を学びたい!という人には、ハードルが低くておすすめです。

特にご自身が働いていない場合は、
パートナーの収入から語学学校費を捻出するケースもあり、
その点が気になっている方もいらっしゃると思います。
費用面で迷っている方にもおすすめです。

無料託児所つき

小さなお子さんがいるとなかなか動きにくいこともありますが、
ここなら同じ場所に託児所があるので、
自分で託児所を探したり、講座の場所と別のところに預けに行く手間も省けます。

受講までの流れ 

フォームから申し込み

HPの申込みフォームから申し込みます。

Deutschkurse in Gemeinden (mit Kinderbetreuung) - Stadt Zürich
Deutschkurse mit Kinderbetreuung in Gemeinden des Kantons Zürich


※募集期間になると申し込みフォームが表示されます。

プレースメントテストの受講

プレースメントテストを受けてから正式に参加が認められます。
私は全くの初心者だったので、A1.1のコースを申し込んだためか、
テスト会場に行ったものの、紙に名前と住所を書くだけで
テストというテストはありませんでした。

もしかするとA1.2以上は、自分の申告と講座のレベルがあっているのかをチェックするために
プレースメントテストを実施するのかもしれません。

コース概要や受講日などの詳細が届く

プレースメントテスト終了後、数日の内に正式なコース概要が書かれた郵便が届きます。
受講場所、受講日、時間などの詳細が書かれています。

受講スタート

初日の授業に参加します!
教科書はその日に配られるので、前もって購入する必要はありません。

授業の雰囲気、進め方

クラスの雰囲気

人数は10名程度で、ほとんどすべての大陸から集まっているのではないかというくらい、
多様なメンバーが集まっていました。
国籍、年齢、性別と本当に様々なクラスメイトです。

ちなみに、日本人は私だけです。

他のクラスメイトとは
母国語もそれぞれ異なるので、コミュニケーションに苦戦することもありますが、
私が片言な英語やドイツ語を話しても、ゆっくり聞いてくれて、ゆっくり話してくれます。

みんなドイツ語を学んでいるからこそ、
母国語ではない言語を話す難しさを理解してくれているのかな、なんて思っています。

授業の進め方

実際に授業で使っている教科書

基本的にテキストに沿って進みます。

授業はすべてドイツ語。
ドイツ語がわからないのにドイツ語で授業が進むなんて、、と最初は不安でしたが、
先生のジェスチャーやたとえがとても上手なので、なんだかんだ分かります。

とは言っても雰囲気だけですべてを理解をすることには限界もあるので、
家では日本語のドイツ語テキストを読んだり、Duolingoを使ったりなど補足の勉強もしています。

私は超初心者レベルであるA1.1からスタートしましたが、
アルファベットの読み方や挨拶など、基礎の基礎からゆっくり、丁寧に教えてくれます。

会話の練習ももちろんありますが、リーディング、リスニングもバランスよく練習しています。

海外の学校あるあるですが、
クラスメイトのほとんどが、先生の質問には間違いを恐れずに答えたり、
不明点があれば積極的に質問したりしています。

ちょっと勇気が必要ですが、参加した方がむしろ場に馴染めるし、

口を動かした方が上達が早いので頑張っています!

まとめ

今回はおすすめのドイツ語講座をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

もちろんもっと本格的に学びたい方や、
お仕事の関係で授業に出られないなど、
個人のニーズによって合う・合わないはあるかもしれませんが、
個人的にはコスパも良くて、とっても良かったなと思っています!

まだまだ始まったばかりですが、
今後どんな風にドイツ語が上達したかもブログにできればと思います!